久しぶりに児童文学を手にとりました。
図書館にまつわるお話が読みたいな、と思って検索して見つけたのが「レモンの図書室」でした。
タイトルも、装丁もとても素敵だったので。
小さい頃にママを亡くし、いつもひとりだったカリプソ。本が心の拠り所。
ある日、同じく本と言葉が大好きな転校生のメイと出会い、カリプソの心が、家族が、少しずつ変わっていくお話です。
読み終えてみて、まずは10と1/2才の女の子を取り巻く環境が、想像とは全く違って過酷でした。
近年耳にするヤングケアラー、カリプソはその一人。
現在の自分に重なることもあったりして、色々と心に染み入る言葉があってね、うるうるしつつ、読み進めました。
小さなカリプソが、自分でどうすることもできない環境の中で、一生懸命毎日を生きていく様子に心を打たれます。
おなかと同じように、心もいっぱいになった。この瞬間がすぎてしまう前にこおらせておきたい。そうすれば必要なときにとかして、また喜びにひたれる。
P211
本が心の拠り所、本さえあれば、自分の好きなことがあれば、友達がいなくても強く生きていける。
そう思う気持ち、とても良く分かります。
でもやっぱり、人は人と喜びも悲しみも、本の面白さも、分かち合いたいと思うんですよね。
人には人が必要なんだ。ずっと人をさけつづければ、傷つかないなんて、ありえない。そんなことしたら、傷ついた上に、さらにひとりぼっちになってしまう。
P240
いちばん心の強い人は、他人に愛情をかけて、他人からも愛情をかけられる人。
P283
夫、こどもたち、友人、離れて暮らす家族。
大切な人に、いつも大切に思っているよ!と改めて感謝の気持ちを伝えたくなりました。
最後のページにカリプソの読書案内があります。
しばらくは児童文学に浸るのも良いかも、とわくわくしながら本を閉じました。